本書の特徴は、電気電子材料の知識の習得に必要な材料物性の要点を分かりやすく詳しく述べて、その後に実際の材料の特性を述べているところです。
これにより、各種材料の利点、弱点を十分理解し、適切な材料を適切な場所で使用できるように心がけました。
また、各章の中および章末において、適宜演習問題を挿入し、一歩ずつ理解度を確かめるようにしました。
はじめに
第1章 水素原子構造と量子論
1.1 水素原子の構造(ボーアの理論)
1.2 ボーアの理論に基づく水素原子内の電子の変遷による発光
1.3 量子力学的考えによる水素原子内部の電子の軌道
1.4 電子のスピン
1.5 バウリの排他原理
第2章 固体における化学結合
2.1 原子間力と化学結合
2.2 イオン結晶
2.3 共有結合結晶
2.4 金属結晶
2.5 ファンデルワールス結晶
2.6 水素結合結晶
第3章 結晶構造
3.1 単位細胞とミラー指数
3.2 原子半径と結晶の充填率
3.3 結晶によるX線回折
第4章 金属の電気伝導
4.1 平均ドリフト速度と移動度
4.2 フェルミ速度と平均自由行程
4.3 金属中の電子の散乱と電気抵抗
4.4 金属の熱伝導率
第5章 帯域理論
5.1 フェルミ・ディラックの統計
5.2 状態密度と電子密度分布
5.3 エネルギーバンド構造
5.4 有効物質
第6章 半導体の導電率
6.1 真性半導体の導電率
6.2 不純物半導体の導電率
第7章 半導体と金属の接触による電子現象
7.1 仕事関数
7.2 半導体と金属の抵触
7.3 半導体と金属の抵触による整流特性
第8章 p-n接合における電子現象
8.1 p-n接合における障壁の厚さと容量
8.2 p-n接合の整流特性
8.3 縮退半導体よりなるp-n接合(トンネルダイオード)
第9章 半導体材料
9.1 半導体材料の種類と構造
9.2 結晶成長技術
9.3 p-n接合の製法
9.4 トランジスタの製法
9.5 半導体集積回路(IC:Intergrated Circuit)の製法
第10章 光半導体材料
10.1 p-n接合による発光メカニズム
10.2 直接遷移型半導体と間接遷移型半導体
10.3 発光ダイオード用半導体材料
10.4 発光ダイオードの構造と製法
10.5 半導体レーザの発振条件
10.6 半導体レーザの構造
10.7 半導体レーザの製法
10.8 受光素子とその製法
第11章 光通信用材料、光ディスク用材料
11.1 光通信用材料
11.2 光ディスク用材料
第12章 超伝導材料
12.1 超伝導の発見
12.2 超伝導の発生原因
12.3 超伝導の基本的現象
12.4 超伝導材料
12.5 超伝導材料の応用
第13章 磁性体
13.1 磁性体の磁化
13.2 磁性体の分類
13.3 原子の磁気モーメント
13.4 磁性材料の種類
13.5 高透磁率材料
13.6 永久磁石材料
第14章 誘電体
14.1 誘電分極
14.2 誘電分極の機構
14.3 強誘電体
14.4 圧電効果と電気ひずみ
14.5 誘電体の電気伝導
14.6 絶縁破壊
第15章 その他の各種材料
15.1 導電材料
15.2 抵抗材料
15.3 新炭素材料
参考文献
付録
付録1. 14種類のブラベー格子
付録2. 格子振動と比熱
付録3. ブロッハ関数、クローニッヒ・ペニーのモデル、ブリルアン領域
付録4. CMOSインバータの原理と製法
付録5. 定常状態のシュレーディンガーの波動方程式の導出
付録6. 各種半導体材料の格子定数とエネルギーギャップとの関係
付録7. 半導体レーザの特性
解答
索引