本書の内容は、設備管理者をはじめとする電気技術者のために、発変電、送配電、施設管理、電気機器、電気応用、電子回路、パワーエレクトロニクス、情報伝送・処理までの広範囲にわたり、それぞれのテーマに対して基本的な内容からやさしく深く、最近の動向まで初学者でも理解しやすいよう図表も多く取り入れて平易に解説しています。
電験第1・2種二次試験ならびに技術士第二次試験において一般記述方式により解答することとなっており、これらの難関試験を征するためには、既存の電気技術を確実に把握したうえで、最新の電気技術についても要点をつかんでおくことが重要です。
(本書は、2010年7月発行の「これだけは知っておきたい電気技術者の基本知識」に引き続き、重要なテーマを分野別に整理し、一冊にまとめたものです)
1 水力
水力発電所における水車および発電機の振動原因とその対策
水車の振動原因とその対策
発電機の振動原因と対策
水車および発電機に共通する機械的振動と対策
揚水発電所における負荷遮断試験およびポンプ入力遮断試験
試験の目的
ポンプ入力遮断時の運転状態の変化
試験時における注意すべき異常状態と留意事項
2 火力
汽力発電所の熱効率
熱勘定図と効率計算
汽力発電所の熱効率に与える事項
熱効率向上対策
蒸気タービン・タービン発電機に発生する軸電流
軸電流発生のメカニズム
軸電流による障害と防止対策
タービン発電機に不平衡負荷がかかった場合の現象・影響
タービン発電機に起こる現象
高速度単相再閉路を行った場合の影響と対策
火力発電所の環境保全対策の概要と大気汚染対策
環境保全対策の対象
大気汚染対策の種類
汽力・原子力発電所の所内単独運転
汽力発電所の所内単独運転の概要
汽力発電所のFCBを知る
原子力発電所の所内単独運転の概要
BWRの100%タービンバイパスシステムの動作フロー
汽力・原子力発電所の蒸気条件の差異とタービン系設備
蒸気条件の差異を知る
蒸気タービンと付属設備へ与える影響
3 その他の発電
冷熱発電
LNG冷熱の利用
冷熱発電の原理
冷熱発電の方式
直接膨張方式の原理と特徴
二次媒体方式の原理と特徴
高効率LNG冷熱発電の開発
風力発電システム
風力発電の特徴
動作原理の概要
風力発電システムの概要
風車の出力制御方法
単独運転防止と転送遮断装置
4 変電
変圧器の過負荷運転
過負荷運転の条件
過負荷運転時の留意事項
変圧器の負荷試験方法
実負荷法による試験
等価負荷法による試験
返還負荷法による試験
油入変圧器の絶縁(寿命)診断方法
劣化要因と寿命の関係概要
絶縁状態診断試験の方法概要
絶縁劣化(寿命)診断の概要
変圧器の寿命と更新時期
SF6ガス絶縁開閉装置の現地据付け・試験
輸送に関しての配慮事項
据付けに関しての配慮事項
現地試験に関しての配慮事項
SF6ガス絶縁開閉装置(GIS)の診断技術
GISの劣化・異常からトラブルに至るまでのメカニズム
GISの劣化の種類の概要
GISの診断項目の概要
GIS絶縁部の診断技術
GIS通電部の診断技術
SF6ガス遮断器の主回路部と構造部の診断技術
変電機器の絶縁診断手法の一つである部分放電の検出法
部分放電発生のメカニズム概要
部分放電の検出方法概要
外部ノイズの影響と除去
発変電所に設置される断路器および接地開閉器の電流遮断現象
断路器の進み小電流遮断現象と特徴
断路器の母線ループ電流の遮断現象と特徴
接地開閉器の電磁誘導電流および静電誘導電流の遮断現象と特徴
電力系統用遮断器における代表的な電流遮断条件
進み小電流遮断現象とその責務
遅れ小電流遮断現象とその責務
近距離線路故障遮断現象とその責務
端子短絡故障遮断現象とその責務
交流遮断器の構造と特徴
遮断器の種類
真空遮断器の構造と特徴を知る
ガス遮断器の構造
SF6ガスの特性・特徴
変電所を建設する際に考慮すべき環境保全対策
環境保全対策のおもな事項
騒音防止対策の実際
防災対策の実際
変電所の縮小化対策の実際
変電所の美化・緑化対策の実際
変電所等に設置される変流器の概要と特性
変流器の使用目的
CTの巻線方式による種類
CTの巻線方式の特性のうち重要な事項
CTの負担とは
CTのバックターンとは
CT巻線方式の取扱上の注意
光CTの種類・概要
5 送電
電線の微風振動
微風振動発生機構の概要
微風振動による影響
微風振動の防止対策
UHV送電の必要性と設計概要
UHV送電導入の必要性
UHV送電の設計概要
UHV送電線の絶縁設計概要
送電線へのサージに対する基本的な考え方
開閉サージに対する設計
短時間交流過電圧に対する設計
送電系統保護の基本的考え方と保護継電方式の種類・適用
送電系統保護の三つの基本的考え方
各保護継電方式の検出方法の概要とその適用
6 配電
配電用変電所の地絡故障検出
高圧配電線の地絡故障検出方法
接地変圧器とは
その他の地絡保護方式
配電自動化
配電自動化導入の目的と効果
配電自動化の概要
配電自動化における伝送方式
高圧カットアウト
高圧カットアウトの施設と種類・仕様
高圧カットアウトの構造
高圧配電線路の雷害防止対策
フラッシオーバ防止対策
フラッシオーバ後の続流アーク防止
電力用CVケーブルの絶縁劣化原因と絶縁性能評価方法
電気的劣化
水トリー劣化
化学的劣化
熱的劣化
トラッキング劣化
高圧CVケーブルの絶縁性能評価方法
高圧ケーブルの活線劣化診断法
直流成分法の概要と原理
直流電圧重畳法の概要と原理
低周波重畳法の概要と原理
活線tanδ法の概要と原理
その他の方法の概要
7 施設管理
電気設備の非破壊試験
直流試験と交流試験の概要
絶縁抵抗測定(メガー測定)の概要
tanδ法(誘電正接試験)の概要
直流高圧法の概要
交流電流法の概要
部分放電試験の概要
電力系統で必要な予備力
供給計画面で考えられる予備力(供給予備力)
日常運用面で必要な予備力の種類
電力系統の短絡電流抑制対策
短絡電流増大の要因と問題点
短絡電流抑制の対応策
短絡容量が増大した場合の対応策
電力系統の安定度向上対策
送電系統の送電容量を決定する要因
安定度の定義を知る
安定度向上対策
AVRとPSSで安定度向上
大容量電源脱落事故時の対応策は
タービン発電機における系統の安定度向上対策
超速応励磁制御方式および電力系統安定化装置の採用
制動抵抗方式の採用
タービン高速バルブ制御方式の採用
発電機本体の改善による対策
電力用保護制御システムのサージ対策技術
アナログ形からディジタル形に
低圧制御回路におけるサージの種類
低圧制御回路のサージ対策
8 電子回路
演算増幅器
演算増幅器とは
差動増幅器の構成
演算増幅器(オペアンプ)の構成
演算増幅器を用いた回路
半導体と電子デバイス
半導体の性質は
原子の構造は
エネルギーバンド理論とは
半導体の種類は
ダイオードの原理は
トランジスタの原理は
9 機械
三相かご形誘導発電機と三相同期発電機
三相かご形誘導発電機が三相同期発電機に比べて優れている点
三相かご形誘導発電機が三相同期発電機に比べて劣っている点
誘導発電機とは
同期発電機の三相突発短絡電流
三相突発短絡電流とは
同期機のインピーダンス測定方法
10 パワーエレクトロニクス
誘導電動機のインバータ制御
インバータ制御による速度制御の原理
インバータの各種制御方法
インバータの種類
ベクトル制御とは
誘導電動機のベクトル制御
ベクトル制御とは
ベクトル制御の種類は
滑り周波数形の原理は
磁界オリエンテーション形の原理は
半導体電力変換装置が電力系統に与える影響と対策
無効電力の影響と対策は
高調波の影響と対策とは
11 電気化学
鉛蓄電池
鉛蓄電池の原理
鉛蓄電池の構造
鉛蓄電池の特性
鉛蓄電池の取扱い上の注意
電食とその防止対策
電食とは
電食の防止対策は
その他の防食対策は
法的規制は
12 情報伝送・処理
オペレーティングシステム
オペレーティングシステムの目的
オペレーティングシステムの構成
オペレーティングシステムの性能評価
オペレーティングシステムの処理能力向上
オペレーティングシステムの種類
電子計算機の高信頼化
RASISとは
信頼性を表す指標
信頼性を向上させる方法
信頼性設計とは
ネットワーク
アナログ伝送とディジタル伝送の違いは
アナログ変調方式とディジタル変調方式の違いは
誤り制御とは
ネットワークの伝送路
有線方式の伝送路の種類は
無線方式の伝送路の種類は
データ通信の標準化
ネットワークアーキテクチャとは
OSIとは
OSIの実例
中継装置とは
インターネットプロトコル
IPとは
IPアドレスの表現方法
ブネットマスク
CIDRとは
ICMPとは
データ通信システム
データ通信システムとは
モデムとは
伝送制御とは
伝送制御手順
ベーシック伝送制御手順
ハイレベル・データリンク制御(HDLC)手順