技術と倫理

技術と倫理

  • 発売日: 2008/05/20
  • 著者: 今村遼平
  • 判型: A5
  • 頁: 280
  • ISBN: 978-4-485-66532-9
  • 定価: 2,200円(税込)
  • 商品紹介
  • 目次
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技術者は技術レベルの高さだけでなく、高い倫理観が不可欠である。信頼される技術者として備えるべき倫理観について、現場技術者と技術者を目指す若き学生諸君に贈る1冊。

初級の技術者や“技術者の卵”を念頭において書いているため、できるだけ「事例(実例)」や「仮想事例」などを多く入れ。ところどころに「コラム」や「Q&A」あるいは「技術士一次試験」の過去の問題を入れて、理解を深める参考にしたり、自分自身で考えてみてもらうようにしました。

※本書は、雑誌「電気計算」に掲載しました下記連載を、再編集いたしました。

「技術と倫理」(2005年3月号より2007年1月号まで)

プロローグ

技術者のロマン 21歳で琵琶湖疎水建設に挑戦した男

1 技術者と倫理

技術者の姿

倫理の“掛け算”

東海村でのJCO臨界事故

2 “倫理”とは何か?

倫理とは?

倫理の階層性

3 “専門職”はどうあるべきか?

われらプロフェッショナル・エンジニア

技術者としての誠実性

不誠実がもたらす“新聞種”の数々

4 技術者の責任

誰に対する責任か?

4タイプの基本的責任

説明責任

企業の社会的責任

啓蒙の責任

責任の遂行を妨げる要素

責任のある行動やプロジェクト遂行のあり方

5 公平性や公正さ

台湾の人に〈神様〉と敬われた男 ─ 八田與一

八田與一にみる〈公平〉の実際

「公平」とは何か?

〈公平さ〉表現の原則

6 倫理的な行動とは

「倫理的に行動する」とは

倫理的行動の可能性

技術者としての基本行動

7 知的財産権

知的財産権の種類

特許権(特許法)

実用新案権(実用新案法)

職務発明問題

著作権

8 製造物責任法(PL法)について

製造物責任法(PL法)とは

PL法以前からある関係法律

製造物責任法の内容

改正消安法

9 技術レベルの低いのは非倫理的

あなたは自分が設計した橋の下で荷重試験を受けることができるか?

無資格者の問題点

技術レベルが低いのは非倫理的だ

思考上の間違いの所在

コンサルティング行為のレベル

CPDの必要性

10 守秘義務と公益優先の葛藤

守秘(秘密保持)義務とは

技術士法の定める守秘義務

トレード・シークレット(営業秘密)の明文化

公益優先とは?

守秘義務と公益優先の葛藤

公益確保のためにどうするか

11 倫理規程とはどういうものか?

なぜ「倫理規程」が必要か

倫理規程の意味と内容

学協会など専門職グループが倫理規程を制定する理由・動機

12 内部告発(警笛鳴らし)は是か非か?

企業不祥事の告発が増加

企業で進む“不祥事の芽”を摘む「社内の内部告発窓口」

ホイッスル・ブロワ(警笛鳴らし)

内部告発が許されるのはどういう場合か

技術者としての内部告発(警笛鳴らし)の選択肢

内部告発者の保護

「公益通報者保護法」とは

内部告発の問題点

もう一つの問題

13 技術者倫理の根幹?安全性の確保?

安全性とは何か

「安全」と「安心」の感覚

「危険─不安」のタイプと倫理問題の所在

ヒヤリハット─ハインリッヒの法則

安全対策(防災対策)の考え方

巨大技術の事故予防体制の30年崩壊説とその予防策

14 リスクマネジメント

リスクとは?

リスクの発生

リスクマネジメントの実施

リスクマネジメントや危機管理のためのハザードマップ作成と利用

企業のリスクマネジメント

15 倫理問題をどう解決するか

倫理問題の解決法

理性的対話の重要性

問題の倫理上の争点を明確にする

二者択一的(二分法的)問題の解決法

線引き問題の解決法

相反問題の解決法

軽重決定が困難な問題の解決法

16 資格はなぜ必要か

技術者にとって資格とは何か

どういうタイプの資格があるか

国の公共事業実施に求められる資格審査の実態

発注者の技術者を見る目が変わってきている

技術士への道

17 専門技術者は継続的な資質向上が必要

技術士法の改正

継続学習(CPD)はなぜ必要か

CPDの単位とその記録

CPDの方法

CPD実施についての具体的な目安

技術士としてCPDを通して修得すべき課題

CPDの実施形態

索引