専門書を読み解くための体系的で確実な基礎知識を、わかりやすく解説した入門書シリーズ。
近年、さまざまな場面で耳にするようになった「リスクマネジメント」。それは単なる「危険への対処」ではなく、将来起こりうる損失や不利益の可能性を見極め、被害を最小限に抑えるための考え方と実践のプロセスです。
本書では、「危険」と「リスク」の違いを丁寧に整理し、人類が古代から経験や知恵によってリスクと向き合ってきた歴史を踏まえながら、現代社会におけるリスクの特徴をわかりやすく解説します。
自然災害、事故、病気、テロ、さらには企業活動や社会インフラに伴う法的・財務的・環境的リスクなど、複雑化・多様化する現代のリスクに対し、なぜ体系的なリスクマネジメントが必要なのかを明らかにします。また、リスクは単なる「避けるべきもの」ではなく、利益や恩恵と表裏一体の存在であることにも着目。危険と引き換えに人々がどのような選択をしてきたのかを示しながら、現実的で納得感のあるリスクの捉え方を提示します。
金融や経営といった特定分野に偏ることなく、建設・災害・維持管理などの社会インフラ分野を中心に、BCP(事業継続計画)やDCP(地域継続計画)の事例も交え、「スッキリ」「がってん」と理解できるリスクマネジメントの考え方と実践を紹介します。
リスクを正しく理解し、過度に恐れず、賢く向き合うために、本書は、専門家だけでなく、社会や地域、組織に関わるすべての人に役立つ一冊です。
はじめに
1 リスクマネジメントってなあに
1.1 リスクとは
1.2 リスクの種類
1.3 リスクの分析と評価
1.4 リスクマネジメント
1.5 リスクマネジメントに関連する用語
2 リスクマネジメントの基礎
2.1 リスクマネジメントの計算法
2.2 リスクコミュニケーション
2.3 リスクと意思決定
2.4 リスクマネジメントは難しいのか?
3 種々のリスクマネジメント
3.1 金融リスクマネジメント
3.2 経営戦略リスクマネジメント
3.3 医療リスクマネジメント
3.4 介護リスクマネジメント
3.5 食品リスクマネジメント
3.6 法的リスクマネジメント
3.7 犯罪リスクマネジメント
3.8 商店街のリスクマネジメント
3.9 保育所のリスクマネジメント
3.10 再生可能エネルギー事業におけるリスクマネジメント
3.11 ISO 31000に準拠したリスクマネジメント
3.12 ERM(Enterprise Risk Management)―全社的リスクマネジメントの重要性
4 リスクマネジメントの応用
4.1 はじめに
4.2 建設リスクと建設マネジメント
4.3 災害リスクマネジメント
4.4 社会インフラの維持管理におけるリスクマネジメント
4.5 BCP(Business Continuity Plan)とは?
4.6 BCPからDCPへ
5 リスクマネジメントの今後
5.1 リスクマネジメントが浸透しない背景
5.2 リスクマネジメントの新たな潮流と技術
参考文献
索引
おわりに