本書は、小学校、中学校、高等学校で学ぶ理科や物理の「力のはたらき」や、力がひき起こすさまざまな「運動」をテーマにしています。
大学や高等学校の入試問題を例題に取り上げ、「解答への引っかかり」を小学校で学んだ振り子の運動やてこのつり合いに求めつつ、豊富な実例とともにわかりやすく解説しました。
はじめに
第1章 振り子の運動 〜時を刻む動き〜
01 振り子の等時性の背後にあるもの:振り子の動きを決める力学的エネルギー
02 エネルギーの移り変わり:変化の中の不変を求めて
第2章 てこの規則性 〜力と運動の基礎基本〜
01 てこのはたらきの下地になるもの:原体験としてのシーソー遊び
02 てこそのものの性質:つり合いの原点
03 静力学への足掛かり:重心への気づき
第3章 力の発見 〜運動、変形すべての原因としての力〜
01 力とは何か:力を決める3つのポイント
02 運動の変化の原因としての力の発見:運動の変化の陰に力あり
第4章 さまざまな運動 〜運動の表し方〜
01 運動をグラフ化して分析する:時々刻々変化する運動の可視化
02 落下運動と斜面上の物体の運動:身近なイメージとv–tグラフによる理解
第5章 力と運動の世界 〜運動を引き起こす力〜
01 運動の陰に力あり:運動解明の第一歩
02 ニュートンの運動の3つの法則:ニュートンのめざした世界
03 運動の第2法則:方程式で表される運動の世界
04 運動の法則の活用例:落下運動からばねの振動まで
第6章 もう一つの運動の表し方 〜保存則の世界〜
01 運動量保存の法則の威力:はじめに運動の激しさがあった
02 はね返り係数(反発係数):衝突の個性を決める係数
03 人と板の2体系:運動量保存の法則の真価
04 力学的エネルギー保存の法則の威力:積分でとらえる運動の世界
補章 その後のニュートン力学 〜経験科学から数理科学へ〜
01 万有引力の成因をめぐるデカルト派とのバトル:ニュートンを勝利に導いた形
02 経験科学から数理科学へ:より基本的な原理を求めて
03 最小作用の原理:自然は無駄をしない
引用・参考文献
索引