
理科教育の指導においては、小学校と中学校の学習上のつながりが重要です。児童・ 生徒にとってもこの学習の連続性は大切です。この点を踏まえ、本書では、小学校・ 中学校の学習指導要領における単元構成と関連性を明確にして構成しています。 第1章「理科学習における実験・観察について」では、教科としての「理科」の役割について、学習指導要領で求められていることに関連づけて解説しています。 さらに、本書で実験・観察を含む授業案を中心に構成した経緯についても触れています。第2章「理科実験集」では、小学校の部、中学校の部に分け、実験・観察を含む授業案を紹介しています。学習指導要領にもとづく内容を基本にして、「是非ともこれだけは体験させたい基本的実験・観察」、「理科の面白さ・楽しさを伝える実験・観察」、「児童・生徒の主体的な学びを促す実験・観察」を選んで内容を構成しています。大学の授業では「わかりやすい授業テキスト」として、また理科教員にとっては「学校現場で使える実験・観察集」となるように、様々な工夫を行っています。

第1章 理科学習における実験・観察について
実験・観察の位置づけ
理科の目標
科学概念の4つの柱-小学校・中学校・高校の学習の流れ-
これからの理科教育に求められること
実験・観察を行うために気をつけること
第2章 理科実験集
■小学校の部
ゴムの力
植物のつくりの観察
身近な自然の観察
太陽の動き
季節と生物
太陽の高さと気温の変化
ファラデーモーターの作製
とける瞬間を観察しよう
動物の誕生
川原の石の観察
風の流れと強さを観測する
てこの規則性
電気を作ろう
身近な水溶液の仲間わけ
人の体のつくりとはたらき
植物の養分と水の通り道
生物と環境
月の形の変化
■中学校の部
ものの見え方(鏡にうつる像)
プラスチックの仲間わけ
三色のアンモニアの噴水
物質の3態変化
植物の体のつくりとはたらき
植物の仲間
岩石の肉眼鑑定
身近な地層の形成過程を調べよう
豆電球の明るさ比べ
スピーカーの作製
水の電気分解を化学反応式で考えよう
プラスチックによる還元
だ液のはたらきをしらべよう
生物と細胞
動物の仲間
物体の運動を可視化しよう
力学的エネルギー保存の法則
放射線の利用
電池におけるイオンの役割
遺伝の規則性と遺伝子
金星の形と見かけの大きさの変化
索引